現実には存在しない鳥たち

ストラヴィンスキーのバレエに「火の鳥」という作品があります。
ロシアの民話を元にしているのですが、ロシア語のタイトルはжар-птицаなので、正しくは「熱い鳥」といったところでしょうか。世界各国の神話や伝承に登場する架空の鳥たちと入り混じった結果、火のように燃えているイメージがつきまとってしまったような気がします。
実際、誰も見た人がいないので、こうでなくてはならないということもないのでしょう。それに、高温になると物は燃えるので、ある意味正しいとも言えます。
何が言いたいのかというと、5月に若冲展を見てきたのですが、代表作のひとつ、ポスターやチラシにもなっている「老松白鳳図」に描かれている白い鳳凰を見た素直な感想。
目つき悪っ!
こちらがそのチラシ。

ほーおー

鳳凰の部分を大きくしてみたのがこちら。

ほーおおー

鳳凰の実物を見たことがないので、実際にパタリロみたいな目をしていたり、尻尾がヤマタノオロチのごとく自由にあっちこっち向いているのかは知りませんが、細かいところまでこだわって写実的に描いている若冲さんはきっと本物を見ながら描いたに違いありません。
羽根の模様なんて、本当に見たのでなくてはあんなに緻密に描けるはずないですから。
でも、待てよ、白鳳の尾羽の模様、どこかで見たような。
あ、ロシアの画家イワン・ビリービンの描いた「火の鳥」の尻尾がそっくり。ハートの形が上向きか下向きかの違いはありますが。
まったく違う鳥を描いているのに似るなんて、もしかしたら、火の鳥と鳳凰は親戚なのかもしれません。
またいとこあたりにフェニックスがいたりして。

「火の鳥」は、やはりロシアの画家ヴィクトル・ヴァスネツォフの挿絵が素敵で、いずれそれをモチーフにして人形を作りたいなどと考えてはいますが、残念ながら今作っているのは「火の鳥」ではありません。
ここまで読んで、期待してしまった方がいらっしゃったらごめんなさい。
 
 

コメント

Жар-птицаは、素手で捕まえようとすると火傷するそうですよ。そのワリには尾羽根を素手でつかんでる人も結構いるようですが。尾羽根だけなら大丈夫とか?

鳳凰は中国産、フェニックスはエジプト産らしいですが、その中間にペルシャ神話のフマというのもいるので、たぶんつながっているのでしょう。キリスト教以前のロシアには、ペルシャ神話のシームルグが輸入されて神様になっているので、もしかすると火の鳥もペルシャ産かもしれませんね。

ところで、お人形にする火の鳥よりもガマユーンをリクエストしたいところです。これもヴァスネツォフの絵がステキですよね。そういえば、これまた東洋の迦陵頻伽と関係がありそうですが。。。

鳥は金属と違って熱伝導はしないので、きっと尾羽は熱くないのかもしれませんね。

Гамаюнはロシアの作家さんが作ったのをモスクワで見たことがあります。
これですね。

http://inkodoll.blog.fc2.com/img/IMG_2011-b.jpg/

頭が女性で鳥の体というとセイレーンやハービーもそうですよね。違いがわかりませんが。
世界の神話や伝説には似通ったものが多いですね。
ネットのない時代、世界は今よりはるかに遠かったはずなのに、あちこちに同じような話があるのはすごいと思います。

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