Щелкунчик

チャイコフスキーのバレエに「くるみ割り人形」という作品があります。
ストーリーについては以前にどこかで書いているので、ここではバレエとは関係ないお話を。
くるみ割り人形というのはくるみを割る道具で特に人形の形に装飾したものをいうのですが、英語では人形の形をしたものも、そうでないものもひとくくりに“nutcracker”というようです。
確かに人の形をしていようがいまいが、道具なのですから問題はないのでしょうが、ドライに感じてしまいます。
さて、チャイコフスキーさんのお国のロシアでは、くるみなどを割る道具のことを“Щипцы для орехов”といいますが、くるみ割り人形のことは“Щелкунчик”と呼びます。
木の実をかしゃこんかしゃんこん割る音から来た呼び名らしいのですが、シェルクーンチクとかシェルクーンチカとか、響きが可愛いです。
ロシアは水とか家なんかも愛称で呼ぶお国柄ですし。

ぼうし

そうそう、くるみ割りと言えば、忘れてはいないのが真田昌幸さんですね。「真田丸」評判いいらしいです。観てますけど。
私だけかもしれませんが、オープニングの曲を聴くと、なんとなく「死の舞踏」が浮かんでしまうんですよね。全体を聴くと、そんなに似てないのですが。
 
 

怪奇な現象

─明日が皆既月蝕の夜かい。
─そうさ。
─じゃあ地球に食われちまうのか。
─いいや、明日になったらまた鏡の海を越えて向こうへ行くだけさ。鏡の海の果ては、行く先々で千夜一夜だ。
(野田秀樹「少年狩り」より)

昨日は皆既月食でした。
途中で月が雲の中に入ってしまったので見るのを諦めてしまったら、その後雲の晴れ間から見事な月食が見えたそうです。諦めるのが少し早すぎました。

月食

そういえば、月が好きだと思いだした秋の夜。
実際に見る月も好きですが、月の出てくる物語も好きです。
皆既月食で思い出すのが前述の「少年狩り」です。
バカバカしさにコーティングされて、いくつかのハードな悲劇をはらんでいます。
そのうちのひとつ、子供たちが巻き込まれた悲劇のことは小学校の先生にたびたび聞かされていました。だから、なおさら真に迫るものがあったのかもしれません。
初心に帰って、月明かりの似合う人形が作りたくなりました。
月が地球に侵食されるこんな満月の夜は狼男が中途半端に変身して涙目になっていたりするのでしょうか。

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トランプとランプ

その昔、一つの言葉を繰り返して意味の通る文にせよという設問があって、例えば「とかげとかげ(トカゲと影)」や「はいしゃはいしゃ(敗者は医者)」みたいなのですが、「はなぞのようちえんはなぞのようちえん(花園幼稚園は謎の幼稚園)」と回答したところ、全く同じことを書いた人がもう一人いたらしく、その人の名前だけが読み上げられて、私はというと「他一名」にされてしまったという悲しい過去があります。
小学校にしておけばよかったのでしょうか。でも、「謎の小学校」より「謎の幼稚園」の方がインパクトありますよね。

それはさておき、「電気スタンド」って考えてみたら変な言葉だと思いませんか?
「電気」というのが「照明」をあらわしているという前提を知らないと意味不明です。
他に「電子レンジ」も、なんだよそれな言葉ですが、レンジというのはコンロのことで、コンロは日本語です。
外国の言葉を日本語に直すのに、わざわざ別の意味の外来語をつかうなんて意味不明です。

電気スタンド

東日本大震災の時に落ちてガラスの傘が欠けてしまいました。
とあるアンティークショップで、「テーブルランプ」を探していると言ったら通じませんでした。
アンティークはフランス語なので、通じなくても仕方ないのかも。
もちろん、日本での話です。

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トロイカはトロいのか?

トロイカという乗り物があります。雪の白樺並木を走っていく、あれです。
大雪に備えて一家に一台トロイカを。
馬が三頭なので、維持費が大変なことになりそうですが。
トロイカという名前の由来は寿司ネタのトロとイカから来ているのではなく、ましてトロいからでもなく。
でも、学校でトロイカ(3)の評価をもらってしまったら、もしかしたらトロい子なのかもしれません。

箱

ロシアで買った小箱です。蓋に描かれているのがトロイカです。
ごらんのように三頭立てです。
トロイカは馬が三頭というところから来ているのですが、さらによく見ると、馬がそれぞれ別の方を向いています
馬が走るのを嫌がっているわけではなくて、真ん中の馬が正面、左右の馬が外側を向いている方が美しく見えるというロシア人の美意識に基づいたものだそうです。
その分、やっぱり走るのトロいかも。
それはそうと、日本で広く知られているロシア民謡の「トロイカ」は本場ロシアで聞くとめちゃくちゃ物悲しいです。
そもそも本来の歌詞は、お金持ちに恋人を取られた御者の悲哀を描いているのですが、日本ではなぜか別の歌の歌詞と取り違えてしまって楽しげな歌になっているのです。
ということで、トロイカの語源が日本語ではないことはおわかりいただけたでしょうか。
次回は、ロシア語が起源の言葉たちです。
嘘です。

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雪が降る

この冬、関東一帯は二度目の大雪に見舞われました。
いつもの見慣れた光景が、真っ白な雪に覆われて、まるで見知らぬ場所のようです。
と、なんだか文学的なことを書いてしまいましたが、全部雪の精です、じゃなくて、雪の所為です。気にしないでください。
それはさておき、「雪が降る」は英語ではIt snows.ですが、この「it」ってなんだよ、って思ったことはありませんか?
「it」とは代名詞のひとつで、などということを言っているのではなくて、snowは動詞だけでなく、立派な名詞でもあるのに、「it」とかいうよくわかんないものが主語になってることがなんだかなと思うのです。
英語に限らず、フランス語やドイツ語もそうなので仕方ないと言えば仕方ないことですけれど。
フランス語の歌に「Tombe la neige.」というのがあるから、「雪」が主語じゃん、と言われそうですが、英語のIt snows.にあたるのはIl neige.なので、やっぱり「il」が主語になっているのです。英語で言うところの「it」、ドイツ語では「es」ですね。
ちなみに、お隣の国に目を向けると。今、オリンピックというのをやっているロシアとかいう国ですが、ロシア語では「雪が降る」はидёт снег.と言います。
「снег」が雪という意味の名詞で、「идёт」が動詞の「行く」とか「行われる」などの意味を持つ「идти」の一人称の形、この場合は「降る」という意味になります。
主語は先にになければ気持ち悪いという人はひっくり返してСнег идёт.と言っても構いません。
ちなみに、かつて世界を席巻したтатуのヒット曲、「Я сошла с ума.」の「сошла」も「идти」と同じ変化をしますが、不定形は「сойти」なのですよね。訳がわかりません。
どうでもいいことですが、「Я сошла с ума.」は英語のタイトルが何それ?な感じなので、いまだに覚えていません。
「нас не догонят.」の方が英タイトルも「Not gonna get us.」なので、耳で聞いてもあまり違和感ありません。そう、ソチオリンピックの時の曲ですね。オリンピック見てないのでよくわからないのですが。
で、何が言いたいのかというと、トンブラネージュって言葉の響きがなんだか面白いと思いませんか?

前回の雪の時に自宅の前に突如できていたかまくらです。

かまくら

小さい子供なら二人は入れそうでした。

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立秋過ぎたけど暑中お見舞い申し上げます

暑中お見舞いを出す時期を人に教える立場にいたので、立秋過ぎれば暑中お見舞いじゃなくて残暑お見舞いになることは重々承知しているんですが、昨日みたいに暑い日に残暑だと言われてもなんのこっちゃってなりますよね。
目上の人や上司に出すわけでもないのなら、暑ければ全部「暑中お見舞い」でいいと思うんですが。
そもそも日本語なんて時代とともに変わっていくものですし。
でも、「確信犯」の誤用を正当なものにしてしまったり、「的を得る」を正しいとしてしまうのはどうかと思います。
「とんでもございません」も最近では正しい日本語とみなされているらしいです。絶対使わないけど。

花火

今年ももうすぐ花火大会があります。
写真は何年か前の夏にベランダから撮ったもの。
暑いのは嫌だけど、花火大会の日は晴れてくれるといいな。

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黒く塗れ

今週土曜日にドラマ「カラマーゾフの兄弟」の2回目が放送されます。
一回目は原作ファンから見ても納得のいく出来に仕上がっていたのではないかと思います。
原作と一字一句違っても嫌だとか、当時のロシアにはカレーやスパゲティやオムライスはなかった!という人は見ない方がいいですけれど。
日本を舞台にしたことで設定の変更はありましたが、登場人物の性格や人間関係はきちんと踏襲していました。
脚本、演出共によかったです。
次男役が力みすぎている感じがなくもありませんけれど。
三兄弟の中でも人気のある役なので、力が入ってしまうのは仕方ないでしょうね。
父親役の吉田鋼太郎さんはまさに本領発揮という感じで、さすがです。
そして、「大審問官」に関しては宗教的な要素が多いので削除されてしまうかもと思っていましたが、あからさまに伏線張っているところを見ると、形を変えて描くみたいですね。
さて、「カラマーゾフ」の「カラ」と「カラス」の「カラ」の共通点がわかりますか?
どちらも「黒」を意味する「カーラ」から来ているんですね。
「カラマーゾフ」が「黒塗りの」という言葉を意味するという解釈は今のところ定説になっています。
江川卓氏の「謎とき『カラマーゾフの兄弟』」にもかなり詳しく書かれているので、興味がある方はそちらをどうぞ。
ちなみに、ドラマのテーマ曲に使われているのが、「黒く塗れ」
心憎いです。

それはともかく、ドラマでは日本が舞台になっているので、登場人物の名前も日本名になっています。
ロシア文学は登場人物の名前がややこしいので苦手という人には嬉しいですね。
上で書いた理由から、「カラマーゾフ」は「黒澤」に置き換えられています。
以下、原作とドラマの比較です。
ドミートリー(ミーチャ)→満
イワン→勲(なんで「巌」じゃないの?)
アレクセイ(アリョーシャ)→涼
ヒョードル→文蔵
スメルジャコフ→末松進
カチェリーナ→加奈子
グルーシェンカ→久留美
イリューシャ・スネギリョフ→杉山一郎
ゾシマ長老→園田志朗
特に秀逸だと思ったのは、グリゴーリー→小栗晃一です。
ね、これならわかりやすいでしょう。

補記
「カラマーゾフ」はロシア語で「黒塗り」と言う意味だと書かれているブログやサイトをたまに見かけますが、カラ=黒とするのはロシア語ではありません。

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干支

来年の干支は蛇です。

へび

12年前に和雑貨屋で見つけ、あまりの可愛さに毎年集めようと決めたきっかけになった蛇の土鈴です。
それから12年。集まったのは8個です。

ところで干支になぜ猫がいないのか。
子供のころに読んだ話によると、干支の順番を決める競争に、猫は鼠にだまされて一日遅れたため干支に入ることができなかったとか。
でも、世界には干支の中に猫がいる国も存在します。
タイ、ベトナム、ベラルーシの一部です。
ロシアの干支は日本と同じなので、露店などで干支の置き物をよく見ました。

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カエルの王女

前にモスクワのマネージ広場の水路に並ぶ銅像の中に「カエルの王女」の物語を題材にしたものがあると書いたのですが、「カエルの王様」ではないかとの指摘がありました。
「カエルの王様」はグリムの有名な童話ですが、「カエルの王女」もロシアでは有名な民話で、別の話です。

カエルの王女

マネージ広場の「カエルの王女」の王子イワンとカエルのワシリーサ。
わかりにくいですが、カエルは冠をかぶっています。王女なので。
「カエルの王女」のあらすじはこうです。
ある国の王様が年頃になった息子たちに、放った矢が飛んで行ったところにいる娘と結婚するように命じたので、末のイワン王子は沼地にいたカエルと結婚することになりました。実はそれは魔法でカエルに変えられていた美しいワシリーサという娘で、夜は人間の姿に戻れるためイワン王子はワシリーサが王様に城に招かれている間にカエルの皮を燃やしてしまいます。それを知ったワシリーサは白鳥の姿になって飛び去ります。ワシリーサを探す旅に出たイワン王子は苦難の末、クマやウサギや鳥や魚など、旅で出会った仲間の助けを得てワシリーサを連れ帰り、めでたしめでたしなのでした。
カエルだったのに何故白鳥の姿で飛び去るのかとか、王子よりも実は旅の仲間たちの方が頑張っていたとか突っ込みどころが満載なのはともかく、なんだか、いろいろ混ざっているような気もしますが、昔話とはそうしたものなのです。

ところで、水路の銅像たちはモスクワっ子には評判が悪かったそうです。
「ディズニーランドかよ!」ということだったらしいですが、玉ねぎ頭の寺院と言い、水色やピンクや黄色の建物と言い、町全体がおとぎの国っぽいのに、どこが違うと言うのでしょうか。

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消えた54年

調べものがあってGoogleで検索しようとしたら、ロゴが船とクジラぽい絵になっていて、「モビーディック」出版107周年とでていました。
実際に出版されたのは1851年で161周年のはずだから、54年はいったいどこに消えてしまったのでしょう。
真相は、以前使用した文面を数字を書き換えないで使い回ししたので、こういうことが起きただけのようです。
それはそうと、モビーディックが白鯨であることは知っていますが、読んだことはありません。
その白鯨をロシア語にするとБелый кит。で、Белый китとはシロイルカ、別名ベルーガのことなんですね。なんのこっちゃ。
そもそも、ベルーガの語源はロシア語で「白い」という意味のБелыйから。
でも、ロシア語ではベルーガはБелуха、ベルーハと読みます。
ロシア語では「ハ」と「ガ」がごっちゃになることはよくあることなんです。
例、ハムレット→ガムレット、横浜→ヨコガマ、ヒーローズ→ギロイ。
本当の話です。
ちなみに、ベルーガと読むБелугаという単語も別にあって、これはチョウザメの一種です。もうわけがわかりません。

ついでですが、「ヒーローズ」はアメリカのテレビドラマのタイトルです。観たことありませんが。