人は何故自分の似姿を造りたがるのか。

今から10年前、東京都現代美術館で吉田先生の作品が展示されるイベントがありました。
押井守監督の映画「イノセンス」の公開に合わせての展示会でした。
なぜ、今さらこんなことを書いているかというと、川井憲次さんが来年の大河ドラマの音楽を担当されることになったというのを聞いたからです。
東京都現代美術館の人形展示会場の一角で「イノセンス」の映像が流れ、映画で使われた曲「follow me(アランフェス協奏曲第二楽章)」がずっとかかっていました。
ちなみに、天野可淡さんの作品も数点展示されていました。
その時のキャッチ・コピーが、「人は何故自分の似姿を造りたがるのか。」

イノセンス

川井憲次さんという方はアニメの音楽では有名だそうですが、残念ながら他には「スカイクロラ」くらいしか知りません。
「スカイクロラ」は原作のファンなので、シリーズ全部読んでいるはず。
タイトルと内容がいまいち頭の中で合わないので、定かではありませんが。
他の人気シリーズと違って、余計な説明を一切省いたタイトな文章が特徴ですが、映画の方は映像でやや饒舌になっているかもしれません。
もちろん、それが悪いわけではありません。
そして、美しい映像に合わせてなんとも切ないメロディが流れるのです。
最近のでは、先月まで放映していた刑事ドラマが川井憲次さんの音楽でした。
映像と音楽があっていて、鳥肌ものでした。ラストが衝撃的すぎたのもあって。
そうそう、「塚原卜伝」も川井さんなのですが、どんな曲か思い出そうとすると「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ曲と混ざります。

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亡き王女のためのパヴゥーヌ

最近、CMでこの曲が流れています。
ラヴェルは「ボレロ」の方が有名ですが、こちらの方が好きです。
「亡き王女」というタイトルから、王女様が亡くなって、白雪姫状態で棺の中で眠っている場面を想像しがちですが、今は亡き王女が優雅に踊る姿を表現した曲らしく、パヴァーヌは孔雀舞と表されることもあります。
作曲者のラヴェル自身が王女とは誰のことか明言しなかったので、さまざまな憶測が飛び交っていますが、ベラスケスの描いたマルガリータ王女をイメージしたという説が有力だそうです。
ところで、この曲にはなぜか星空が似合います。
この曲が使われている自動車のCMも満天の星空が出てきますが、少し前にやっていた「カラマーゾフの兄弟」というドラマの中でも星空のシーンでこの曲が流れていました。偽物の星空のシーンでも。
もっと遡ると、夢の遊眠社の「彗星の使者(ジークフリート)」でもラストの満天の星が輝くシーンで使われていて、とても印象的でした。
茫洋とした空間の広がりを感じさせる曲調が星空に似合うのでしょうか。

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悲しき天使

とあるドラマのせいで、最近頭から「黒く塗れ」という曲がはなれなくて困っています。
ローリング・ストーンズは「ルビー・チューズデイ」や「サティスファクション」は知っていたのですが、「黒く塗れ」もいい曲ですね。
ところで、「黒く塗れ」の歌い出しと「悲しき天使」の歌い出しが似ているような気がしませんか?
「悲しき天使」はメリー・ポプキンという人が歌った曲です。
この歌手のことは知らないのですが、元はロシアの「Дорогой длинною(長い道を)」という曲で、日本でもいろんな人が歌っています。
驚いたところでは、デーモン閣下がカバーしていました。
他にもベンチャーズの「キョート・ドール」という曲の出だしがそっくりだそうです。
出だしが似ている曲というのはよくあることで、例えばショパンの「別れの曲」と「おじいさんの古時計」は似ているし、ロドリゴの「アランフェス協奏曲」と「必殺仕事人」のテーマがそっくりさんなのは有名ですね。
「アランフェス」をフィギュア・スケートに使っている人は結構いるみたいなので、いっそ誰か「必殺」のテーマで滑ってくれないかな。

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道化師

聖母被昇天祭の夜、悲劇は起きます。
道化師役の座長はコロンビーナ役の妻の不貞を知り、舞台の上で妻とその恋人を殺してしまいます。
「これで喜劇は終わりです」
そして、幕が下ります。
レオンカヴァッロの代表的なオペラです。
テレビをつけてたら(11時10分からの「カラマーゾフの兄弟」リアルで観たかったので)、高橋大輔選手のフリーの曲に使われていたので、思わず見入ってしまいました。
去年の「相棒」元旦スペシャル「ピエロ」でもこのオペラのシーンが効果的に使われていました。
タイトルは「道化師」でも、眉間にしわを寄せないと聞けないような重い曲です。
オペラに登場するコロンビーナは英語ではコロンビーヌ、アルレッキーノはもちろんハーレクィンのことです
もともとコンメディア・デッラルテ(仮面劇)の登場人物ですが、近世以降のモチーフとして使われる場合には悲劇的要素が多いような気がします。
ヴェルレーヌの詩の中の「ベルガマスク」にも、やはりどこか物悲しい印象を受けます。
ちなみに、「ベルガマスク」はこのブログのタイトルと同じです。
それにしても、相棒の元旦スペシャル、今年は「アリス」だったし、どうしてこうツボなテーマばかり持ってくるかな。
来年はなんでしょうね。

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月光

月があんまり綺麗だったので撮ってみました。
満月は昨日だったようですが。

moon

ブログのタイトルからしてさぞやドビュッシーが好きなのだろうかと思われるかもしれませんが、実は「月」に関する曲はベートーヴェンのピアノソナタ「月光」の方が好きです。
この曲にはよく知られた逸話があります。
ある月の夜、ベートーヴェンが散歩をしていると、一軒の家からピアノの音が聞こえてきます。それは盲目の少女が弾いているのでした。感激したベートーヴェンがその場で作曲したのがこの「月光」でした。
というのは、まったくの作り話で、そもそもベートーヴェン本人が、この曲が「月光」という名であることを知りません。
正式にはピアノソナタ第14番嬰ハ短調作品27の2「幻想曲風に」、ですが、「月光ソナタ」という呼び名があまりにも有名です。
もっとも、「月光」ぽいのは第一楽章だけで、第三楽章にいたっては、月が鍵盤の上を横滑りしているような印象です。
でも、その横滑りが心地よくて癖になります。

さて、このピアノソナタですが、かなり革新的な曲だったようです。
当時のピアノソナタといえば、モーツァルトに代表されるようなキラキラしたきれいな曲が主流でした。
それに比べてベートーヴェンの曲が汚らしいと言っているわけではありません。
ですが、宮廷学士としての将来を確立するためには、キラキラしたきれいな曲を作ればいいものを、そこはやはりベートーヴェンさんですから。
だからといって、ベートーヴェンの作った曲がきれいじゃないと言っているわけではありません。断じて。
最近、映画のCMで流れてくるのを耳にしますが、やっぱりいい曲です。

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キャロル・オブ・ザ・ベルズ

そういえば、もう12月でした。
映画やドラマの影響か、クリスマスの時期になると街でも「キャロル・オブ・ザ・ベルズ」をよく聞きます。
たたみかけるようなメロディと「メリメリメリメリークリスマス」のフレーズが印象的な曲です。
トランス・シベリアン・オーケストラのアレンジも有名で、たたみかける感じがさらにパワーアップしているような気がします。
実はこの曲、ウクライナの民謡が元になっているそうです。
ウクライナといえば旧ソ連から独立した国のひとつですが、同じ旧ソ連のラトビアの歌が元になっていてロシアでヒットした歌があります。
「100万本のバラ」という歌で、歌の中に登場する画家のモデルになっているのはグルジアのピロスマニという、すごく国際的な歌です。
でも、元をただせば全部旧ソ連。
意外とロシアの歌だと知られていなくて世界でヒットした歌は少なくないようです。
例えば、ロシア語では「長い道を」という意味のタイトルの歌ですが、日本でもかなりカバーされていて、ちょっと調べてみたらデーモン閣下が歌ってました。

シャンデリア

ダ・ヴィンチの部屋のシャンデリアを画像加工してます。
実際はとてもあかるい部屋でした。

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組曲

「ベルガマスク」とは何かというのがわかったところで、今度は「ベルガマスク組曲」の「組曲」が気になりますよね。
その前に、おさらいです。
「ベルガマスク」というのはベルガモ風といった意味で、ヴェルレーヌはイタリアのベルガモあたりで生まれた仮面劇の扮装をしていた人々を想定して詩を書いたものと思われる。でもって、フォーレとかドビュッシーなんかが曲を作った。
というのが前回のあらすじです。
と、てきとーにまとめたところで、今回は「組曲」です。
PCで検索するとちゃんと出てきますね。いい時代になりました。
「組曲」とは、とある有名服飾メーカーのファッションブランドで…そのブランドのコンセプトが、自由にコーディネートする楽しさ、音を感じさせるような着心地、なんだそうです。
おいおい、脱線してるぞって?
一応、音楽用語としての組曲もちゃんと調べましたよ。
複数の楽曲、あるいは楽章を組み合わせ並べた器楽曲だそうです。
組み合わせた曲だから、組曲なんですね。でも、それでいったら、交響曲でも協奏曲でもソナタでも、みんな複数の曲を組み合わせているんではないでしょうか。
とにかく、先に進みましょう。
組曲には古典組曲と近代組曲があって、古典組曲は舞曲を中心として組み合わせたもの、近代組曲はバレエ音楽やオペラ音楽から主要曲を抜き出して並べたり、初めから組曲として作曲されることもあった…
よけい訳がわからなくなりましたか?
では、代表的な組曲をいくつか。
ビゼー 『カルメン』組曲
チャイコフスキー 『くるみ割り人形』組曲
これらはオペラやバレエから抜粋して演奏会用に編成したものですね。非常にわかりやすいです。
ドビュッシー『ベルガマスク組曲』
出てきましたよ、べるがますくくみきょく。
これは古典組曲にならって、舞曲中心として組み立てたもの。
二曲目のメヌエットと四曲目のパスピエが舞曲なんだそうです。
もっとも、曲そのものは古典的とはいえませんが。
ホルスト 組曲『惑星』
リムスキー=コルサコフ 交響組曲『シェヘラザード』
ホルストの『惑星』はともかくとして、リムスキー=コルサコフの交響組曲は交響詩とどう違うんだ、って感じですね。
そこで思い出していただきたいのが、某ファッションブランドのコンセプトである「自由にコーディネートする楽しさ」
交響詩や交響組曲の線引きは非常にあいまいで、作曲者や編曲者の自由にまかされているそうですね。
音楽なんだから難しいことはほうっておいて、音を楽しめばいいということでしょうか。

かなりどうでもいい話ですが、昔チャイコフスキーとリムスキー=コルサコフのお墓を見たことがあります。
ドストエフスキーのお墓を見に行った時、入り口の見張りのおばちゃんにチャイコフスキーも見ていきなさいよ、そっちよ右の奥、って言われて行ってみると、ド派手なお墓が。
といっても、極彩色とか金ぴかというのではなくて、なんというか、そう、豪華なんです。
それだけみんなから愛されたということなんでしょう。
他のお墓も、それぞれ立派でしたけれど。
で、帰ろうとしたところに、今度は日本人の団体さんがやってきて、なぜかわからないけど、案内をするはめに。
といっても、お墓に刻まれた名前を読んであげただけですが。
その中にリムスキー=コルサコフのお墓もあって、他のお墓とは一風変わった感じで、ちょっと意外でした。
 
 

Bergamasque

ブログのタイトルは名前の「月」からの連想です。
ドビュッシーのベルガマスク組曲の中でもおそらくもっとも有名なのが、「月の光」
そもそもヴェルレーヌの「月の光」という詩の中にこの言葉が出てくるとか。
NHKの「名曲探偵アマデウス」では、月の光に照らし出された仮面舞踏会の様子と仮面に隠された心の動きを曲で表現しようとしたのではないか、というふうな解釈をしていました。
踊ることのできないメヌエットをなぜ書いたのかというのがとても象徴的に思えました。
ドラマ部分はかなりふざけているのに、曲の考証はきちんとしていて、おもしろい番組でした。
残念なことに、最初の何話かを見逃してしまいました。

マスク

グループ展で使用した人形用の仮面です。
人形に合わせて作ったので、装着することもできます。