ハムレットを探して

シェイクスピアの話が続きますが、今年は生誕450年、あちこちでいろんなイベントが催されているようです。もちろん本国のイギリスでも。
シェイクスピアはどちらかというと、「十二夜」とか「冬物語」のような喜劇に分類されているものが好きですが、映画化になっている数は「ハムレット」が断トツで多いだろうとタカをくくっていたら、なんと記録されているだけで「ロミオとジュリエット」が50作以上、「ハムレット」はわずか40作ほどでした。自主制作のものを入れたら、とんでもない数字になることでしょう。
それにしても、この数の多さはなにごとかと言いますと、「ロミオとジュリエット」はバレエ作品をそのまま映画にしたものもけっこうあったみたいで、実際に現在も観ることができるのはそんなにはないようです。
ということで、「ハムレット」です。無理やり感が漂っていますが、いいのです。
「ハムレット」の映画で一番有名なのは1948年のローレンス・オリヴィエの作品らしいです。
ただし、上演時間が155分ということもあり、かなり省略されています。
ローゼンクランツもギルデンスターンも、もちろんフォーティンブラスも出てきません。だから、ローゼンクランツとギルデンスターンは死にません。フォーティンブラスは父親の名前(息子と同名)が台詞の中に登場するのみ。
基本的に、フォーティンブラスは舞台上に登場する場面は少ないので、いてもいなくても大筋に変わりはないのかもしれません。おバカですし。でも、なぜかハムレットから次のデンマーク王に指名されていますし、ある意味、謎が多いです。
で、忠実に再現してしまったのが1996年、ケネス・ブラナーの「ハムレット」
忠実に再現しすぎた上、舞台だと登場しない頭蓋骨の主とか、その他余計なシーンがあって、242分という時間がとても長く感じます。
ハムレット映画の中でもっとも評価が高いのは実は1964年のソヴィエト映画だったりします。
上演時間は144分。いきなり馬で駆けるシーンから始まって、必ずしも原作通りというわけではないのですが、映像として見せることに関してはかなりこだわっていて、評価が高いのもうなずけます。
そして、オフィーリアが人形のようにひたすら美しいのです。
あの有名な生きるの死ぬのというセリフ、この映画ではパステルナークの訳を採用しているのでロシア語では“Быть или не быть, вот в чем вопрос.”ですが、波の打ち寄せる岸壁みたいなところで出てきます。たぶん、心象を表現しているのでしょう。
日本でもDVDが発売になっているそうなので、「ハムレットはやっぱオリヴィエよねー」と思っている人はぜひ観てみるといいと思います。
ホレイシオ萌えの人には物足りないかも。
それにしても、イギリス版をしのぐとまで言われた作品を作っておきながら、21世紀版「ハムレット」を作ってしまうロシアってなんなんですか。
ちなみに、それは2009年の作品で、ロシア語のタイトルは“Гамлет. XXI век”といいます。
日本ではたぶん未公開。
ハムレットとレアティーズの決闘シーンがカー・レースだったり、でも最終的には剣で勝負、結婚披露がクラブ・パーティで、登場人物のゴス・メイクがきつかったりと評価は分かれそうですが、ハムレットのお城がクリミアのヴォロンツォフ宮殿、オフィーリアが身投げするシーンがツバメの巣城、とても綺麗な場所でロケをしているので、もっとロシアとウクライナは仲良くすればいいのにと思います。
衛兵の装備が日本の戦国時代の雑兵にしか見えないし、音楽にロシアのロック・バンドTOKiOを採用したり、もしかして日本を意識してる?ってことはないでしょうけれど、2000年のイーサン・ホーク主演の現代版「ハムレット」に比べると、ちゃんと「ハムレット」です。
主人公よりも亡霊や劇中劇の主役の人が無駄にかっこいいのですが、本来シェイクスピアの原作にはあまり出番のない人物が不気味な役割をしているのが他のハムレット映画と大きく違うところです。
そういえば、メル・ギブソン主演の「ハムレット」まだ見ていませんでした。
上演時間は130分ですか。
4時間は長いけど、「ハムレット」には好きなシーンがたくさんあるので3時間くらいはやってほしいと思う反面、主役の登場場面が多いので、映画の場合は主役の人がヴィジュアル的に自分の好みでないと観ててキツいものはあります。
2003年のニナガワ演出とジョナサン・ケント演出の舞台、どちらも3時間くらいでしたけど、来年、蜷川幸雄さんの時のハムレットとジョナサン・ケントの時のホレイシオという組み合わせで上演するそうです。
ホレイシオは学者肌でおとなしそうで、というイメージを横田さんのホレイシオで見事に払拭されてしまいましたけど、来年の藤原ハムレットとの組み合わせではどうなるのでしょうか。

ろいやるこぺんはーげん

ハムレットと言えばデンマーク、デンマークと言えばコペンハーゲン。
一度だけロイヤルコペンハーゲンの本店に行ったことがあります。
そういえば、どうしてハムレットが好きなのか思い出しました。
ヴァイキングが好きだから、でした。

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All the world's a stage.

録画していた「日輪の遺産」をやっと見ました。
夏に太平洋戦争物の映画が何本か放映されていたのですが、日本が負けるとわかってる戦争の話を続けて観るのはやはりきつかったです。
ちなみに、観たのは「男たちの大和」と「硫黄島からの手紙」と「日輪の遺産」なのですが、その全部に中村獅童さんが出ておりまして、戦争映画には獅童さんが出なくてはいけない決まりでもあるのでしょうか。
話を戻します。

All the world’s a stage,
And all the men and women merely players;

これは映画「日輪の遺産」の中に出てきた台詞で、シェイクスピアの「お気に召すまま」からの引用です。
日本語にすると、以下の通り。

人間世界は悉く舞台です、
さうしてすべての男女が俳優です。(訳・坪内逍遥)

全世界が一つの舞台、
そこでは男女を問わぬ、人間はすべて役者に過ぎない、(訳・福田恒存)

この世界はすべてこれ一つの舞台、
人間は男女を問わずすべてこれ役者にすぎぬ、(訳・小田島雄志)

お気に召す訳をどうぞ。
「ポーの一族」の中でギムナジウムの生徒たちが上演することになったのが、この「お気に召すまま」です。
男子校なので、男装の麗人ロザリンド役(しかも女性のように振る舞って恋するオーランドに恋の手ほどきをするという複雑きわまりない役)や他の女性を演じるのはもちろん少年たちなのですが、シェイクスピアの時代は男性の俳優が女性の役を演じるのがあたりまえでした。
「恋に落ちたシェイクスピア」をご覧になった方ならよくご存知と思います。
ご覧になっていない方はわざわざ観ることもないでしょう。
ただ、エリザベス女王が水たまりをバシャバシャ歩くシーンはウォルター・ローリーとのエピソードを知っていれば笑えます。

劇場

男だらけの「お気に召すまま」というと、蜷川演出の舞台で吉田鋼太郎さんがものすごくいい人を演じていました。もちろん、男役です。
吉田さんといえば、「カラマーゾフの兄弟」の親父役とか、とっても悪い役で存在感がある印象ですが、最近では朝ドラでも人気だそうです。朝ドラ観てないので、どんな役なのかは知りませんが。
でも、「カラマーゾフ」では誰からも嫌われる役なのに可愛げがあったし、「シンベリン」では困った親父という雰囲気を醸し出していました。
「シンベリン」はシェイクスピアの作品の中では喜劇に分類されるらしいのですが、バカ息子の扱いがあんまりなので、なんだか後味が悪いです。
シェイクスピアでもっとも残虐で救いようがないといわれる「タイタス・アンドロニカス」にそれほど後味の悪さを感じないのは、行きつくところまで行ってしまっているからでしょうか。
タイタスも吉田さんが演じているのを観たのですが、やたら人間臭くて、やっていることはえげつないのに、なんだか可哀想な人に見えてしまう不思議。
一番怖いのは、根っからの悪人がいないこと。
復讐に次ぐ復讐がどんどんエスカレートして、凄惨な終幕を迎えるのですが、悪魔の化身とまで言われたエアロンでさえ、悪に染まる理由や、詰めを読み誤る理由がすごく人間らしいものでしたし、でも、最後まで悪あがきしてみせるところがさすがです。
蜷川さんのシェイクスピアはDVDになっているのもあるようですが、レンタル・ショップにはおいてないし、高いので手が出ません。
せめて、バラで売ってるといいのにと思います。たぶん、買わないけど。
そういえば、アンソニー・ポプキンスの「タイタス」も観ましたが、グロかったです。
原作が原作なので、どうしたってグロくなってしまうのかもしれませんが、映像にこだわるあまり、人間が演じているように見えませんでした。そういう演出だとしても、意味不明。
ローマ帝国の話なのにバイクや機関銃が出てきたりというのは問題ありませんし、むしろそういうの好き。
えっと、何の話でしたっけ。
そうそう、戦争はやっぱり悲惨。

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1582年のカンファレンス

超高速が流行りなのか、大河ドラマの主要シーンがものすごい勢いで進むので、日本史に疎い人間にはもうなにがなんだかわからないので、三谷幸喜監督の「清州会議」を借りて見ることにしました。
この監督の映画は失礼ながら今まであまり面白いと思ったことはないのですが、面白いという人は多いらしいので、きっと面白いのだと思います。(あくまで映画の話であって、演劇やドラマ作品は別です)
「清州会議」は歴史上のできごとを扱っているだけに、着地点がどうなるのかと思いながら見ていたら、なんだか無難にまとまっていて、その後の歴史を知っているから切なかったですが、それが狙いだったのかどうかもわかりにくくて、出ている役者さんが好きな方にはいいのかも。笑えるシーンもありました。
ところで、日本国内で本能寺の変や山崎の合戦、清州会議の行われたこの1582年に海外ではどうなっていたかというと。
お隣の国ロシアではイェルマークがシベリアのシビル・ハン国を攻略しました。(どこだよ、それ)その時の出資者がかのストロガノフです。
ビーフ・ストロガノフで有名なあのストロガノフさんですね。

ストロガノフ邸

サンクト・ペテルブルクのストロガノフさんち。(2012年10月撮影)

一説によると、イェルマークさんもビーフ・ストロガノフをごちそうになっているとか。
真偽のほどはともかくとして、本能寺で信長が討たれたこの時代にビーフ・ストロガノフが存在したのは確かのようです。
ただ、1584年にイワン雷帝が死去するとロシアは混乱の時代を迎えるので、混乱に乗じて秀吉が朝鮮ではなくロシアに攻め込んでいれば北方領土のみならず、今頃はロシアの半分くらいが日本の領土だったかも。
という冗談はさておき、この頃フェリペ2世の統治するスペインは最盛期を迎え、日の沈まない帝国とまで言われていたのであります。
が、この6年後にアルマダの海戦で無敵艦隊が英国に敗れ、衰退への道を歩むことになるのです。
一方、すてきなかんたい、じゃなくて、むてきなかんたいを打ち破った英国もあまり明るいとは言えない未来が待っているよう。
時の国王はエリザベス1世ですが、スコットランドの女王にたびたび命を狙われるわ、かのレスター伯とは修羅場るわ、無敵艦隊に勝ったと思ったら国がどんどん貧乏になるしで、でも、その不安定な時代にシェイクスピアとか出てきているのであなどれません。
さて、フランスに目を移すと、1562年から1598まで続いたユグノー戦争が一時休止中なのですが、1584年に国王の弟アンジュー公フランソワか死去するとまた泥沼に突入。
その国王アンリ3世も1589年に暗殺されてしまいます。フランス王としての在位期間は約15年。
その前のシャルル9世が在位期間14年、さらにその前のフランソワ2世の在位期間はわずか1年。
50年近く英国に君臨したエリザベス1世やスペインのフェリペ2世とはえらい違いです。
ちなみに、このフランソワ2世の奥方がエリザベス1世に処刑されたスコットランド女王メアリー・スチュワートです。
でもって、フランソワ2世、シャルル9世、アンリ3世、アンジュー公フランソワのママがカトリーヌ・ド・メディシスなのであります。
もちろん、イタリアの名門、メディチ家の血筋です。
ヨーロッパは国単位で入り乱れるので本当に訳がわかりません。
でもって、カトリーヌ・ド・メディシスさんはどんなことをした人かというと、アイスクリームやマカロンをフランスに持ち込んだ人です。というのは事実ですが、夫アンリ2世の死後、真に政治の実権を握っていたのもこの人です。
というわけで、日本では本能寺が変だったり清須で会議だったりした時代のヨーロッパがどんなだったかおわかりいただけたでしょうか。
ビーフ・ストロガノフやアイス食べられていてことだけはわかった?
それでいいと思います。

それはそうと、三谷氏の脚本で「オリエント急行の殺人」をテレビでやるらしいのですが、有名な原作なので犯人役が誰なのか気になります。でも、三谷氏で列車物だと、「諸君!ミサイルだ」のオチになるのではないかと心配。
それより、森博嗣氏のSMシリーズがドラマ化ってマジですかー?
なにげに周囲の森ファン率が高くて、どうやら私のせいらしいのですが。
しかし、配役。ヒロインはどうせ誰がやっても絶対に文句は出るので寧ろ誰がやっても一緒ですが、主人公は年齢さえクリアできればかなり許容範囲は広め、と思っていたら、肝心の年齢をクリアできていないんですね、そうですか。
初回は「冷たい密室と博士たち」らしいので喜多先生が登場するのでしょうけれど、期待してはいけないのでしょう。
予告を見る限りでは、「笑わない数学者」が入っていないのですが、セット作るのが無理なのかな。
実写だとどんな感じなのか見てみたいのに。要するに、あれが動くところが見たいのです。

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17年ぶりだそうです

2012年に解散した第三舞台の伝説的な舞台「朝日のような夕日をつれて」が17年ぶりに上演されていましたが、いよいよ明日13日が最後です。
むかーし、紀伊国屋ホールに見に行きました。
懐かしいです、という表現はたぶん間違っているのですが、なぜなら「朝日のような」は過去に6回上演されていて、その度に時代にあわせて内容が書き換えられているから。

朝日のような夕日をつれて

実は、物語の下敷きになっているのが「ゴドーを待ちながら」という戯曲で、昨年コヤーラの人形展に出品した時のタイトル「アリスを待ちながら」もこれに由来しています。
いったい、何人の人が気づいてくれたでしょう。
正解は限りなく0に近いと思います。
結局、今年アリス来たけどねー。

そういえば、ここ何年も舞台とか観に行ってない。
チケット取るのが面倒ですし。

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コヤーラ展終了しました

デング発騒ぎで会場近くの代々木公園が一部閉鎖されるとかいろいろありましたが、会場に足を運んでくださったみなさま、ありがとうございました。
そして、スタッフのみなさま、展示参加された方々、いつもながらすっかりお世話になりました。
今回も多種多様な人形が展示されていて、個性豊かな人形が勢揃い。
すごい気迫で、ああ頑張らないといけないなと思いました。

会場風景

会場風景です。

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進化するだまし絵展

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「進化するだまし絵展」を見てきました。
土曜日だったからか、人がいっぱい。作品も思ったよりたくさんありました。
実は円筒アナモルフォーズの実物を今まで見たことがなかったので、実際に見てやっぱりすごいなと思いました。
「進化する…」ということなので、これがだまし絵なの?と思うようなのもありましたが、ダリとかマグリットとかエッシャーの作品もあって、それなりに見ごたえはありました。
コンセプトとしてはわからなくもないですが、昨今話題の「乗るのをためらうエレベーター」や「ゴミが人のようだ!」みたいなのもあると面白かったのに。
おまけは、ミュージアムの外にかかれていた作品。

うきでるめざましくん

チョークで書かれているので今日消されてしまうそうですが、絵の上に置かれているように見える時計が実は絵の一部であるというトリック絵です。
このだまし絵展は10月5日までです。

なお、NHKふれあいセンターホールで開かれている創作人形公募展は本日15時で終了します。
まだ行っていない方はお早めに。

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チームコヤーラ主催第2回創作人形公募展はじまります

チームコヤーラ主催第2回創作人形公募展

2014年9月2日(火)~7日(日)10時~17:30(最終日15時迄)
会場:NHKふれあいホールギャラリー
http://www.nhk.or.jp/event/fureaihall/gallery/map.html

公募作品の他、矢部藤子先生の作品も展示されます。
黒服のアリスも待ってます。
来てね。

アリス in NHK

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搬入いってきます

梱包おわりました。
明日から始まるチームコヤーラ創作人形展の搬入に行ってきます。
天気が悪いので、大荷物を持って歩くのはゆううつ。

箱入り娘

今まさにトランクに詰められようとするアリス。
展示会の詳細はこちらをどうぞ

http://www.ab.auone-net.jp/~koyaala/index.htm

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