All the world's a stage.

録画していた「日輪の遺産」をやっと見ました。
夏に太平洋戦争物の映画が何本か放映されていたのですが、日本が負けるとわかってる戦争の話を続けて観るのはやはりきつかったです。
ちなみに、観たのは「男たちの大和」と「硫黄島からの手紙」と「日輪の遺産」なのですが、その全部に中村獅童さんが出ておりまして、戦争映画には獅童さんが出なくてはいけない決まりでもあるのでしょうか。
話を戻します。

All the world’s a stage,
And all the men and women merely players;

これは映画「日輪の遺産」の中に出てきた台詞で、シェイクスピアの「お気に召すまま」からの引用です。
日本語にすると、以下の通り。

人間世界は悉く舞台です、
さうしてすべての男女が俳優です。(訳・坪内逍遥)

全世界が一つの舞台、
そこでは男女を問わぬ、人間はすべて役者に過ぎない、(訳・福田恒存)

この世界はすべてこれ一つの舞台、
人間は男女を問わずすべてこれ役者にすぎぬ、(訳・小田島雄志)

お気に召す訳をどうぞ。
「ポーの一族」の中でギムナジウムの生徒たちが上演することになったのが、この「お気に召すまま」です。
男子校なので、男装の麗人ロザリンド役(しかも女性のように振る舞って恋するオーランドに恋の手ほどきをするという複雑きわまりない役)や他の女性を演じるのはもちろん少年たちなのですが、シェイクスピアの時代は男性の俳優が女性の役を演じるのがあたりまえでした。
「恋に落ちたシェイクスピア」をご覧になった方ならよくご存知と思います。
ご覧になっていない方はわざわざ観ることもないでしょう。
ただ、エリザベス女王が水たまりをバシャバシャ歩くシーンはウォルター・ローリーとのエピソードを知っていれば笑えます。

劇場

男だらけの「お気に召すまま」というと、蜷川演出の舞台で吉田鋼太郎さんがものすごくいい人を演じていました。もちろん、男役です。
吉田さんといえば、「カラマーゾフの兄弟」の親父役とか、とっても悪い役で存在感がある印象ですが、最近では朝ドラでも人気だそうです。朝ドラ観てないので、どんな役なのかは知りませんが。
でも、「カラマーゾフ」では誰からも嫌われる役なのに可愛げがあったし、「シンベリン」では困った親父という雰囲気を醸し出していました。
「シンベリン」はシェイクスピアの作品の中では喜劇に分類されるらしいのですが、バカ息子の扱いがあんまりなので、なんだか後味が悪いです。
シェイクスピアでもっとも残虐で救いようがないといわれる「タイタス・アンドロニカス」にそれほど後味の悪さを感じないのは、行きつくところまで行ってしまっているからでしょうか。
タイタスも吉田さんが演じているのを観たのですが、やたら人間臭くて、やっていることはえげつないのに、なんだか可哀想な人に見えてしまう不思議。
一番怖いのは、根っからの悪人がいないこと。
復讐に次ぐ復讐がどんどんエスカレートして、凄惨な終幕を迎えるのですが、悪魔の化身とまで言われたエアロンでさえ、悪に染まる理由や、詰めを読み誤る理由がすごく人間らしいものでしたし、でも、最後まで悪あがきしてみせるところがさすがです。
蜷川さんのシェイクスピアはDVDになっているのもあるようですが、レンタル・ショップにはおいてないし、高いので手が出ません。
せめて、バラで売ってるといいのにと思います。たぶん、買わないけど。
そういえば、アンソニー・ポプキンスの「タイタス」も観ましたが、グロかったです。
原作が原作なので、どうしたってグロくなってしまうのかもしれませんが、映像にこだわるあまり、人間が演じているように見えませんでした。そういう演出だとしても、意味不明。
ローマ帝国の話なのにバイクや機関銃が出てきたりというのは問題ありませんし、むしろそういうの好き。
えっと、何の話でしたっけ。
そうそう、戦争はやっぱり悲惨。

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