さくらんぼのジャムを食べたくなる時

というわけで、「新カラマーゾフの兄弟」読みました。
結論から言うと、亀山郁夫氏はロシア文学者でドストエフスキー研究者ではあっても、小説家ではないなと。
もともと期待はしていなかったのですが、タイトルに「カラマーゾフ」とつけるのは卑怯ですよね。無視できないですもん。
ドストエフスキーが書かなかった13年後の物語なのかと思っていたら、舞台を日本に置き換えて、年齢だけは13年たった兄弟にドストエフスキーの書いた「カラマーゾフ」の中の行動をなぞらせて、いったい何がしたいのかわかりませんでした。
パロディでもないし、表題に「カラマーゾフ」と入れている以上、別物ではないし、それこそ剽窃になってしまいます。
唯一、すべてのカラマーゾフ・ファンが狂喜したのはさくらんぼのジャムがでてくるシーンでしょう。
名前の付け方も、以前やっていたドラマ版の方がセンスがあったような気がします。
ゾシマ長老に当たる人物の名が「嶋省三」というのだけは笑えましたが。
研究者たちによれば、ドストエフスキーは続編では皇帝暗殺にかかわっていく三男を描くはずだったということですが、「新カラ」ではずいぶんこじんまりとしたクーデターになっていて、ドストエフスキー作の「悪霊」を参考にしたとしても、なんだか狭い世界の中で話が進んでいくのがなんとも。
K氏とX先生のやりとりは、ああ、そうだったのか!とは思いましたが、この作品の中で書く必要があったのか。でも、それを言ったら、「Kの手記」をまるごと否定することになってしまいますね。(“X”は“エックス”ではなくロシア語の“ハー”と考えると誰のことかわかってきます)
時代設定を1995年にしたのは、当時起きた実際の事件と絡ませたかったようで、そうすることでもしかしたらドストエフスキーと肩を並べたかったのでしょうか。
ひょっとしたらだけど、亀山氏はドストエフスキーになりたかったのか、なんて思ってしまいました。
ネタバレになるので詳しく書くことは差し控えますが、ラストシーンを例の日にもってきたのは意図的というか、やり過ぎな気がしてしらけました。

さくらんぼのジャム、おいしくいただきました。
雰囲気を出すためにロシアで買ったお盆や食器を一緒に並べてみました。

さくらんぼのジャム

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