セバスチャンとヴァイオラ

來をれ、最期(いまは)よ、來をるなら、來をれ、
杉の柩に埋めてくりゃれ。
絶えよ、此息、絶えるなら、絶えろ、
むごいあの兒に殺されまする。
──シェイクスピア「十二夜」より 坪内逍遥・訳

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「十二夜」はシェイクスピアの作品の中では喜劇に分類されますが、常に死の影が付きまとっています。
同じ日に生まれ、いつも一緒にいた双子の兄と妹が船の難破で離ればなれになります。
互いに相手が死んだと思い込み、妹は兄になりかわろうとし、男装します。兄は妹を救えなかった自責の念に追い立てられます。
その象徴として、妹には兄と同じ顔をした面を、兄には髑髏の面を作りました。

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双子の取り違え物としては、同じくシェイクスピアの「間違いの喜劇」が有名ですが、「十二夜」では妹が男装しているため、さらに話がややこしく、あぶなくなっています。
妹ヴァイオラはひそかにオーシノーを慕うのですが、男装してシザーリオと名乗っているので、二人の関係は男同士に見えるし、オーシノーが恋するオリヴィアがシザーリオに一目惚れ、でも本当は女同士。
果たしてヴァイオラとセバスチャンは無事に再会することができるのでしょうか。

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最近では双子の兄と妹を一人二役で演じることも多いようで、野田版では大地真央が、蜷川版では尾上菊之助が演じていました。

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お面の裏にはちりめんを貼っているので装着することも可能です。
 
 

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