骨は珊瑚、眞珠の眼

御骨(みほね)は珊瑚、眞珠こそ
その以前(かみ)、君が御龍眼(おんまなこ)。
御體(ぎょたい)の一切(なべて)朽ちもせで、
寶(たから)と化しぬ海に入りて。
聞かずや海の女神らが
──坪内逍遥・訳

「颶風(テムペスト)」の中でエアリエルが声色を使って歌う歌の一節です。
というわけで、ミランダに引き続き、エアリエルをモチーフに作りました。

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何処が?と言われそうですが、エアリエルです。作った本人が言うのだから、まちがいありません。

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武器は金属製の笛と赤い・・・
男の子の着物を初めて作ったので、いろいろと知らないことだらけだったのですが、少しは詳しくなりました。
女の子の着物と違って身八ツ口があいてないので、着付けてから調整するのがまあ面倒。脇から手が入れば、ちょいちょいっと直せるのに、とか、いっそスナップで固定したいくらい。
帯も着物も少し派手目なので(男子としては)、男物の着物によく使う貝ノ口ではなく、一文字結びをしています。

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作り付けにして、取り外しできるようにしたのは、寝転がした時に帯がつぶれてしまいそうだからです。

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和風にしたので「空音(そらね)」という名にしました。
元のエアリエルに空気という意味が入っているのと、「あらし」の作中で姿を見せずに声だけで難破した人々を操る場面があるからです。

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2018創作和人形展

本日より開催されます「2018 創作和人形展」に参加いたします。
出品するのは画像のホシノヒトミです。

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たくさんのお人形が福岡の会場に集まります。ぜひ、お運びください。

2月24日(土)~3月4日(日)
AM11:00~PM6:00
会期中無休
入場料300円
ギャラリーぶんかとう

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颶風

かなり久しぶりに大きめの人形です。85センチくらい。

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実はホシノヒトミより先に作り始めていたのですが、ホシノヒトミをMIDOW展に出すために作る順番を入れ替えて、やっと完成と相成りました。
「颶風」というのはシェイクスピアの「あらし」の坪内逍遥が訳した時のタイトルです。
物語に登場するミランダのイメージで作りました。

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着物地で洋服を作るというのがひそかにマイブームになっていまして、つまみ細工の花飾りやかんざしなど、和ものっぽいものも作りました。

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実際には髑髏の出てくる場面はないのですが、島に漂着したファーデナンドがエアリエルの術によって見た幻がこんなふうだったのではないかという想像です。
ミランダとファーデナンドの出会う場面は「あらしの」中で一番好きです。

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フィンランド幻想

クリスマスの前夜、狼の群れに襲われたソリから赤ん坊が雪の上に投げ出されました。ソリと狼たちはあっという間に走り去りました。赤ん坊の瞳は満天の星空を見つめています。その時、星がまたたいて赤ん坊の瞳に宿ります。
「星のひとみ」の冒頭は確かこんな風。

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トペリウスの「星のひとみ」を初めて読んだのは、世界少年少女文学全集の北欧版。ストリンドベリの「海に落ちたピアノ」も収録されていたので、しばらくトペリウスとストリンドベリがごっちゃになっていましたが、トペリウスはフィンランドの作家でストリンドベリはスウェーデンの作家です。ただし、どちらもスウェーデン語を使っていたようです。
実は一度だけフィンランドに行ったことがあって、滞在時間は6時間ほど。何しに行ったかというと、ヘルシンキから列車に乗ってロシアとの国境を越えてサンクトペテルブルクに行くためです。列車の時間待ちに街をぶらついたり駅前の教会に入ったりしてはみたのですが、ロシア正教の教会だったためロシア語が飛び交っていたし、列車の車掌さんもロシア人だったので、せっかくのフィンランドなのに、あまりフィンランドな体験はした記憶がありません。
でも、その時泊まったペテルブルクのホテルがフィンランド湾に面したプリバルチスカヤホテルでした。文字通り、バルト海が目の前だったのですが、まあフィンランドではありません。ということで、いまだにフィンランドがよくわかりません。
それはともかく、初めての列車での国境越え、パスポートを車掌さんに預けたら全部やってくれて、いつのまにか列車が動き始めて、という感じで、ドキドキするようなことはありませんでした。初めてモスクワに行ったときに入国審査にものすごい時間がかかったのがトラウマになっていたのかもしれません。そういえば、何年か前にロシアに行ったとき、入国審査があっさり済んで拍子抜けしたことを覚えています。ロシアに入るのが大変というのは過去の話になったのかもしれません。
ところで、久しぶりにトペリウスを読んでみようと思ったら、古本でしか手に入らないようです。しかも、私が読んだ藤城清治さんの挿絵のものは見つかりませんでした。最近の子供は童話とか読まないそうで、日本の有名な昔話も知らない子が多いと聞いたことがあります。それとは逆に、ゲームなんかでやたら昔話や神話に詳しかったりと、二極化しているみたいです。それがいいのか悪いのかはわかりませんが。
 
 

人形シンポシオンMIDOW展

事後報告になりますが、兵庫県立美術館というところで開催されていた人形展に「ホシノヒトミ」を出展していまして、クリスマスイヴの24日に入選のお知らせが届いていました。
今回の展示は宅配で会場まで送りつけて、展示はスタッフの方に全てお任せしていたので、会場の様子は何もわからず、どのような状態で展示されていたのかわからないままで、まだあまり実感がありません。
人形の公募展というと、アート性が重視されて、普通な球体関節人形は展示していただくだけでありがたいと思っていたので、会場で見てくださった方々から感想をいただき、身に余る光栄を噛みしめています。最高のクリスマスプレゼントになりました。

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出展した「ホシノヒトミ」です。
写真を添付しただけで細かい展示の支持はなにもなかったので、スタッフの方たちは大変だったと思います。
そのほか、搬入、搬出、作品の講評など、いろいろお世話になり、心から感謝申し上げます。
これを機に、もっと頑張らなくてはと思います。
スタッフの方、会場に足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございます。

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